【導入事例】有名店社食で出社体験を変える| LINEヤフーの新しい社内コミュニケーション施策
 
                                    課題
- 対面での円滑なコミュニケーションを創り出す施策を検討していた。部門内での交流・懇親会などの一部費用を会社が支援をしていたが、幹事の負担や運営コストが高く活用にばらつきがあった。
活用方法
- 「みんなの社食」を活用した“Connect Lunch(コネクトランチ)”を導入し、有名店のご飯をオフィスで楽しみながら社員同士が交流できる場を実施。
成果/これからの目標
- 導入後、NPSスコア64.5という高い満足度を記録し、「出社が楽しみ」「会話が広がった」といった声が多数。 今後は、食を通じた“つながりの仕掛け”を共に創出し、企業のコミュニケーション活性化と組織力向上を支援していくことを目指す。
NPSスコア 64.5 を記録、プロダクト創出力を支える社内コミュニケーション施策
「LINE」や「Yahoo! JAPAN」など、多様な領域で事業を展開し、インターネットの力で人々の暮らしをより豊かで便利にすることを目指すLINEヤフー株式会社(以下、LINEヤフー社)。同社では、プロダクト創出力のさらなる向上にむけて、コミュニケーションの質を高めることを重視し、2025年4月から出社日を設ける新しい働き方へとアップデートしました。その取り組みの一環として、有名店のメニューを提供する社食デリバリーサービス「みんなの社食」を活用したコミュニケーション施策を導入。 カジュアルなランチの場を通じて自然な会話と交流が生まれ、参加者のNPSスコアは64.5と高い満足度を記録しました。 *本記事は、LINEヤフー株式会社 ピープル・デベロップメント本部 組織人材開発部 部長 張 希氏(※部署、役職は取材当時のものです)へのインタビュー内容をもとに構成しています。
 
                                                    (1)企業紹介|LINEヤフー社の事業と人材開発への注力
LINEヤフー社は「LINE」や「Yahoo! JAPAN」をはじめ、ニュース、検索、Eコマースなど、幅広い領域で事業を展開する日本最大級のテックカンパニーです。 同社では人材戦略として、人と事業をつなぎ、人材と組織のパフォーマンス最大化を目指しています。 その実現に向け、組織人材開発部門では、オンボーディングや教育研修などによる成長支援に加え、社員同士の交流促進などの環境づくりを推進しています。 同部門の責任者である張氏は、「プロダクトの創出力を向上するには、社員同士が活発に意見を交わし、コミュニケーションの質を高めることが不可欠」と語ります。
 
                                                            (2)導入前の課題|既存の飲食補助施策は、自由度が高い分、運営コスト・幹事負担のハードルも高かった
張氏: 部門内での交流や懇親会にかかる費用を一定の範囲で会社が支援していますが、特に部門全体での大規模開催時には、会場手配や出欠管理など幹事の負担が大きく、施策の活用にばらつきがありました。 そこで、場所と食事をあらかじめ用意し、気軽に参加できる場として提供することで、施策の利用を促進し、部門内の交流を一層活性化できると考えました。 LINEヤフー社では2025年4月から働き方をアップデートし、出社日を設けて対面でのコミュニケーション促進を進めていました。一方で、オンライン中心の働き方に慣れていたこともあり、対面でのやり取りをより円滑にするための工夫が求められていました。 張氏: より円滑なコミュニケーションを促進させるためには、ただ同じ空間を共有するだけでなく、自然と会話が生まれるような仕掛けが必要だと考えました。 各部門では、ワークショップの開催や10分程度の短時間の対面ミーティング枠の設定など、さまざまなコミュニケーション施策に取り組んでいます。 人事としてもそれらの取り組みを支援しながら、よりカジュアルで自然な交流を促進し、偶発的なコミュニケーションが生まれる場づくりの必要性を感じていました。
(3)サービス導入の経緯|トライアルから口コミで広がった「Connect Lunch(コネクトランチ)」
そうした課題意識から、より気軽に参加でき、自然な交流を生み出す新たな手段として「みんなの社食」をトライアル実施。 まずは自部門と隣接部門の合同で実施したところ、自分たちで料理をよそう中や、美味しいメニューをきっかけに会話が弾み、自然なコミュニケーションが生まれました。その手応えからトライアルを広げたところ、参加部門の口コミを通じて評判が社内に広がり、“手軽で効果的な施策”として高い評価を得ました。 この流れを受け、同社では施策を「Connect Lunch(コネクトランチ)」と名付け、全社的に展開を実施。 張氏: 実際に、社員一人ひとりが「参加して良かった」「また参加したい」と感じられる体験をつくることこそが、対面でのコミュニケーションの輪を広げていく原動力になると、改めて実感しました。
(4)導入後の成果|NPS64.5を記録、定量・定性で高い満足度を実現
導入後の参加者からのアンケートでは、NPSスコア64.5という非常に高い満足度を獲得。 加えて、以下の成果が見られました。 部門の幹事からも「事前準備や移動の手間がなく、オフィス内で気軽に開催できる点が良い」と好評で、課題となっていた運営負担の軽減にもつながりました。
(5)社員の声|「気軽に参加できる」「会話が広がった」
参加した社員からは、 「出社するのが楽しみになったし、他のチームの人と顔を合わせられるのがうれしい」 「おいしいカレーを囲みながら自然と会話が生まれて、リラックスした雰囲気で交流できた」 「これまであまり話す機会がなかった人と気軽に会話できて、新しい一面を知るきっかけになった」 といった声が寄せられており、社員にとって“出社する楽しみ”や“人とつながる心地よさ”を感じられる場として受け入れられています。
(6)今後の期待|“仕掛け”ある場づくりとナレッジシェアで業界全体を強化
張氏: 御社への今後の期待は、メニューの拡充にとどまらず、社員同士の自然な交流をさらに加速させる“つながりの仕掛け”をともにつくっていくことです。 豊富な他社事例やナレッジを活かし、業界全体のコミュニケーション活性を支援することで、さまざまな企業の組織力向上を後押しし、その先にある新たな事業創造や価値創出につながっていくことに期待しています。
(7)おわりに|食を通じて生まれる“自然なつながり”が、組織力を支える
新しい働き方への移行期において、リモート中心の環境に慣れた社員が多く、対面でのコミュニケーションをよりスムーズにする仕掛けづくりが求められました。社員が同じ日にオフィスに出社するだけではなく、あえて“会話のきっかけ”をデザインし、円滑なコミュニケーションを促進する環境づくりが必要です。 張氏:会話のきっかけづくりの方法はさまざまですが、なかでも食事は肩肘張らず、誰もが気軽に参加できる場で、良質なコミュニケーションを生み出す機会として非常に有効です。 大切なのは、『ただ同じ空間にいること』ではなく、お互いの人となりを知ること。それが、組織力を下支えし、新たな価値創造につながる第一歩になると感じています。 みんなで並んで有名店のカレーをよそい合い、声を掛け合う。おいしいメニューを共通の話題にして会話が広がる。こうした一見シンプルなプロセスの中に、自然と相手の人となりを知れる機会が多く含まれていると語ります。食を通じた“自然なつながり”が、LINEヤフー社の新しい働き方を後押しし、「みんなの社食」の有効性を実感していただいています。
 
                  